スポーツでもトレーニングでも、その活動中に怪我をすることがあります。
能力向上、健康増進のために行っている中での怪我により、その活動を中止せざるを負えなくなることは非常に不利益であり、最大限予防し少なくしていきたいと考えるのではないでしょうか。
怪我を最大限予防し、スポーツ活動、健康増進活動を十分に実施するには何に注意すれば良いのかを考えていきたいと思います。
Contents
怪我を予防するには
怪我予防の代表として、運動開始前にはウォーミングアップを行うと思います。
ウォーミングアップにより筋温を上昇させることで、筋の伸張性や反応速度が高まり、その後の運動で十分に筋発揮することを可能とし、怪我の予防に繋がります。
次に考えたいのは、いわゆる身体の使い方です。
投げる動作において上肢は肩関節だけでなく、肩甲骨、胸郭も動きます。
その動きの低下は肩関節に負担がかかり、肩の障害に繋がります。
走る動作、蹴る動作も同様に全身が連動することで、一部に負担をかけることなく動作を行います。
そのため、運動開始前には
✔︎ウォーミングアップアップを十分に行う
✔︎動きの悪い部分を動かす
以上が障害予防として必要となります。
スポーツ現場における予防の取り組み
サッカー選手の障害予防プログラムとして、国際サッカー連盟スポーツ医学委員会(F-MARC)が作成した、FIFA11+があります。FIFA11+は以下の3パートで構成されています。
Part1|ランニングプログラム(6種目):8分
Part2|筋力・プライオメトリクス・バランス(6種目):10分
Part3|ランニングエクササイズ(3種目):2分
Part2の「筋力・プライオメトリクス・バランス」は3段階に分かれており、その強度を選択できるようになっています。
このFIFA11+の導入によって下肢における障害発生を約29%減少させたとの報告もあります。
参考文献|育成年代サッカー選手に対する傷害予防プログラムの有用性の検討

引用|https://www.jfa.jp/medical/11plus.html
柔軟性とケガの関係性
柔軟性について注目したいのは、上述した動きの悪い部分の可動性を改善することです。
上肢であれば胸郭、下肢であれば骨盤それぞれの可動性が十分で周囲筋の柔軟性が十分であるかを注目していきます。
柔軟性テスト
柔軟性テストは自動運動でテストします。
関節を動かすには、主動作筋、拮抗筋、共同筋、固定筋が働きます。他動運動で柔らかくても、主動作筋が弱い、固定する筋肉が弱いなどの影響により自動運動では可動域が制限されることがあります。
そのため他動運動の評価は動作に反映されにくくなるため、全て自動運動で行います。つまり柔らかければ良いわけでなく、自分自身の身体をコントロールできて、かつ柔らかいことが重要と考え評価を行います。
※ASLR|膝を伸ばして足を持ち上げた際に、かかとが反対の膝よりも上がっていることを目標とする。

具体的数字
私が統計をとったデータによると、ASLRは80°以下、HBDは16cm以上の群でケガの発生率が2-3倍高い結果となっています。
予防エクササイズ
障害予防にはハムストリングスと大腿四頭筋の柔軟性が必要となります。
両筋は骨盤帯に付着し、骨盤の可動性に大きな影響を与えると考えられるため、障害予防にはその柔軟性は必要となると考えます。
ASLRの改善|ハムストリングスの柔軟性
股関節屈曲に伴い腰椎は後弯します。腰椎後弯に対して、胸椎の伸展可動性が必要となるため、胸椎伸展可動性の改善を図ります。
また股関節屈曲の単関節筋を強化することで股関節のモビリティー改善を図ります。
最後にハムストリングスの柔軟性改善を図るためのストレッチを行います。
❶胸椎伸展エクササイズ
❷股関節屈曲トレーニング|腸腰筋
❸ハムストリングスストレッチ
HBDの改善|大腿四頭筋の柔軟性
大腿四頭筋と筋膜で連結する体幹前面にある腹筋群のストレッチを行います。
膝を深く曲げるには内側・外側ハムストリングスの中でも、内側ハムストリングスが優位に働くため強化を行います。
最後に、大腿四頭筋のストレッチを行います。
❶腹筋ストレッチ
❷内側ハムストリングス
❸大腿四頭筋ストレッチ
以上、障害予防に必要な骨盤可動性の改善方法についてお伝えしました。
日々のトレーニング前に予防エクササイズを取り入れることで、障害発生率を低下させることができるのではないでしょうか。
L-fit.では3つのコンセプトで、皆様の悩みを解決できるように努めています。
記事をお読みいただいて、気になることがありましたら是非お問い合わせください!!
身体の動き改善にお役に立てればと思っています。