アジリティ(Agility)は多くのスポーツにおいて必要な能力で、機敏さ、素早さ、敏しょう性のことを指します。ただ速く走るだけでなく、そこには方向転換や減速動作(ストップ)も求められます。
これらの能力を高めるためのトレーニングをアジリティトレーニング(ラダーやミニハードルなど)と言いますが、アジリティを高めるためにはその時の上半身の姿勢や動きがとても重要になります。
この記事ではアジリティにおいてなぜ上半身が重要なのかをお伝えしていきたい思います。
Contents
なぜ上半身が重要なのか
実際の現場ではアジリティを高めるトレーニングとして、ラダーやミニハードル、T字ドリル、脚力をつけるために下半身の筋トレを取り入れていることが多いかと思います。
しかし、ラダートレーニングやT字ドリルなどで脚がバタバタしてしまったり、方向転換時に姿勢が崩れてしまったりしていることがよくみられます。
その状態ではいくらラダートレーニングをしていても、アジリティ能力の向上は望めません。
なぜかというと、アジリティには多くの要素が含まれており、その要素に対してアプローチする必要があるからです。
実際に、アジリティを構成する要素は以下の図ように示されています。

図を見てわかる通り、アジリティには多くの要素が含まれており、複雑な能力だということがわかるかと思います。
上半身の柔軟性はテクニックの項目に影響する
脚がバタバタしたり、方向転換時に姿勢が崩れたりしてスピードが落ちてしまうのは、上の図でいう身体の傾きと姿勢が影響しています。
上半身が進みたい方向に適切に傾くことで、地面を押した力によって生まれた床反力を、進みたい方向に生じさせることができます。
前方に加速する時には体は前傾し、側方に移動する時には体を横に傾けた姿勢になります。脚の力を最大限に活かすには、このように動きにあった姿勢を取れるかが重要になってきます。

そして姿勢をコントロールするためには、上半身(背骨)の柔軟性が必要になってきます。
背骨の柔軟性と平衡反応
背骨の柔軟性があると、姿勢を保持する上で重要な平衡反応を引き出しやすくなります。
平衡反応とは、体の傾きに対して頭を垂直に保つ反応のことで、頭部を支える背骨自体の柔らかさがなければ、頭部の垂直位を保てず姿勢を崩し、簡単にバランスを崩してしまいます。
上半身が柔軟にバランスをとることで、急激な方向転換に対して姿勢を保持するだけでなく、バランスを崩した際に足を一歩踏み出すことにも貢献しています。
背骨を柔らかくし、頭部を正しい位置でキープすることで最小限の力で姿勢保持ができるようになります。
以上のことからアジリティ動作では、動きに合わせた姿勢をコントロールしたり、脚の力をロスなく使うためにも背骨の動きや柔軟性が重要といえます。
背骨の動き
では背骨のどのような動きが必要になるのでしょうか。

背骨は頚椎、胸椎、腰椎に分けられています。
屈曲、伸展、側屈、回旋の動きがあり、この全ての動きが必要になります。
関節の構造上、頚椎、胸椎は動きやすい構造をし、腰椎は動きの少ない構造をしています。
そのため背骨の中でも胸椎(+胸郭)の動きが重要だと考えられます。
動作の中で姿勢をコントロールするためにも、まずは背骨の柔軟性から獲得していきましょう。
脊柱柔軟性トレーニング
動画のトレーニングを参考にしてみてください!
まとめ
方向転換時に姿勢を崩さず、脚の力をロスなく使うためには姿勢が重要です。
姿勢をコントロールするためには、前提として背骨の柔軟性が獲得されいる必要があります。
背骨の柔軟性を獲得した上で、アジリティトレーニングを行うことで、能力向上につながっていくと考えます。
参考にしていただけたら幸いです。
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